今、世間を騒がせているニュースを観ると、
音楽とは何かと考えます。
完成形が見えず、今年の抱負である「一生勉強」という気持ちで、
長年向き合ってきても、なかなか答えは見つかりません。
日本のモノづくりの技術や職人の技など、話題になりますが、
音楽には、完成と言える形は無いのではないかと思います。
美術的な絵画や彫刻など、形に残る芸術もありますが、
音楽は、その時々で僅かながらでも奏者のアプローチが変わり、
人々に与える印象も変わってしまうのではないでしょうか?
今ではCDなど、録音された媒体で音楽を楽しめますが、
それもカメラで写した画像のように、その時の1コマに過ぎません。
門下生は、完成を求めて練習しますが、成果がいつ花開くかもわからず、
自信をなくしてしまう人や、挫折を経験し、音楽を辞めてしまう人も中にはいます。
その度に、寂しさともったいないなという気持ちで、残念に思います。
見える結果を求めることも、一つの目標ではありますが、
見えない美しさを追求する喜びを感じ、人格の成長を得ることも、
音楽の目標であると思います。
私も含め、音楽を学ぶものにとっては、見えないものや形の無いものの中にこそ、
本当の美しさや、価値があるということも知って欲しいと思います。